【新築事例】土佐ジロー加工場((有)はたやま夢楽様)

 

安芸市畑山で幻の地鶏「土佐ジロー」を生産されている(有)はたやま夢楽様の食肉加工場を新築いたしました。

 

~story~「豪雨を乗り越えて・・・より安全でおいしい土佐ジローを」

高知県が誇る地鶏「土佐ジロー」は、土佐地鶏とロードアイランドレッドを掛け合わせた地鶏で、飼育数が少なく幻の地鶏ともいわれています。一般的には卵を採るために飼育されますが、安芸市の山奥、畑山(はたやま)では、長年にわたり食肉用の飼育を研究・実践されている生産者の方がいます。

自然の中、平飼いで時間をかけて育てられた土佐ジローは、濃厚な味で引き締まったお肉が絶品で、私達も家族揃っての大ファンです。この土佐ジローを手がけられているのが、(有)はたやま夢楽の小松靖一会長・圭子社長ご夫妻と、社員スタッフのみなさま。土佐ジロー料理と自然を満喫できる宿泊施設も経営されています。

はたやま夢楽 http://tosajiro.com/

土佐ジローは畑山で育てられ、畑山の加工場でこだわりの手作業で食肉に加工されてきました。今回、この加工場を新設移転することになり、ご相談をいただきました。

国内の食品加工場では、2020年の東京五輪を契機に国際規格である食品安全基準HACCP(ハサップ)を取得する機運が高まっており、将来的には義務化されると言われています。今回新設する加工場では、この高知県版HACCPをクリアしてより安全でおいしい食肉を提供することを目標に計画しました。HACCPでは、加工場内の動線や内装仕上げ、排水など、食の安全を守るための様々なルールがあります。小松会長が考案した図面を元に設計事務所とともに計画・設計を行いました。HACCP対応の工場新設は高知県内でも事例がほとんどなく、何度も打合せや改善を重ねました。

建設費用調達にあたっては、全国にファンを持つはたやま夢楽様がクラウドファンディングを行ったところ、目標金額を大きく上回る寄付が集まり、多くの方の応援・ご支援を受けての想いの詰まった工場の建設となりました。

ところがこの計画を進めている最中に、2018年7月の西日本豪雨が発生、安芸市は安芸川が一部で氾濫し、下流では決壊寸前の危機的な状況となりました。ニュースではほとんど取り上げられませんでしたが、安芸川上流にある畑山では、集落に至る道路が何か所も寸断され孤立状態となる甚大な被害を受けました。畑山では幸いにして人的被害や建物の被害はなかったものの、宿泊のお客様のキャンセルや、生産体制の一時ストップなど、間接的に大きな影響を受けられました。

それでも、新しい加工場を建設する小松さんの意気込みは変わりませんでした。道路の復旧を待ちながら、何とか道を通れる大きさのトラックで資材を運び、片道40分の道のりを大工さんや職人さんも往復をして工事を進めてくれました。

さまざまな困難を乗り越えて2019年3月に完成した加工場では、竣工式典と餅まきが盛大に行われ、全国各地の土佐ジローファンが集まっておきゃくを開催されました。現在は新しい加工場で、おいしい土佐ジローのお肉や新商品も生産されています。

 

~施工のポイント~HACCP基準での設計・施工

 

高知県版HACCPの基準に照らし合わせ、設計・施工を行いました。

高知県版HACCPについてはこちら(高知県HP)

 

~木のこころ~

【建物本体】

構造材:柱、土台は国産無垢材を100%使用しました。長尺梁は一部、レッドウッド集成材を使用しました。

下地材:国産無垢材を使用しました。

食品加工場のため完成後には見えなくなってしまう構造材ですが、「木」は建物を支えてくれています。

【家具】

建物内、冷蔵冷凍庫内で使用する棚を、高知県産材で制作しました。

詳しくはブログで紹介しています https://inouearchi.com/2019/03/01/furniture/

 

加工場建設については、はたやま夢楽様のブログでもご紹介いただいていますので、ぜひご覧ください。語りつくせないドラマがあり、多くの方々のご協力のもと完成した加工場は、私達にとっても心に残るお仕事となりました。本当にありがとうございました。

「皆さんの支援で、畑山に未来を」

「豪雨から一週間」

「御礼」

「新しい加工場(1)」

「新しい加工場(2)」

「【おきゃく】をしました」

「竣工記念式典」

「餅まき」