自然素材である木、特に無垢材には、新建材にはない4つの大きな特徴・効果があります。住まいに木を使うことが健康や快適にどのようにつながるのか、わかりやすくご紹介していきたいと思います。
4つ目の効果は、コロナ禍で改めて注目された「抗菌効果」です!
コロナ禍で関心が高まったお家の清潔・衛生
コロナ禍になってから、お家の中に汚れや菌を持ち込まないこと、そして持ち込んでしまった場合の除菌について、嫌でも意識させられるようになりました。清潔・衛生への注目から、家づくりも変化しました。たとえば、帰宅してすぐに手を洗える場所に洗面台を設けたり、上着を脱いでしまえる玄関収納を作り付けるなど、玄関まわりの「ただいま動線」を考えたお家が増えました。
家庭用の消毒除菌グッズも数多く登場し、今やどのご家庭にもアルコール消毒液や除菌シートなどが備え付けられているのではないでしょうか。さらに、抗菌効果のあるフローリングや塗料など、内装建材もウイルス対策を意識した商品が発売されました。抗菌効果を持たせた建材には、表面に抗菌剤などを塗布した人工的なものと、素材が本来持っている抗菌効果に注目したもの(漆喰など)があります。
実は、自然素材である無垢の木材にも、抗菌効果があることが確かめられています。私たちの身近に存在する黄色ブドウ球菌に対する抗菌効果を調べる実験では、「スギ無垢材」「塩化ビニル」「紙(コピー用紙)」それぞれを細かくしたものに菌液を添加して培養した結果、菌のコロニーの数は塩化ビニルと紙では2,000個近くだったのに対し、無垢材では0~2個でした。スギ無垢材は黄色ブドウ球菌に対して抗菌効果があることが明らかになりました。
(参考サイト)
ダニやカビ対策にも無垢材が有効
このコラムシリーズの1でも紹介しましたが、スギやヒノキの無垢材に含まれる香り成分は、
- ぜんそくやアトピーの原因となる室内塵に生息するダニ類の繁殖を抑制する。
- 人の健康にかかわるカビや細菌に対しても抗カビ、抗菌作用を示し、クロコウジカビ、アオカビなどのカビ類、黄色ブドウ球菌、大腸菌などの細菌類の繁殖を抑制する。
という効果があります。たとえコロナ禍や風邪のシーズンが終わっても、アレルギーなどの不調の原因対策をすることは、日々の健康で快適な暮らしづくりにとって大切なことです。無垢材は、人工的な抗菌剤などを用いない昔から使われている材料ですので、安心感もあります。
また、これまでご紹介してきたように、無垢材は「香り」「調湿」「あたたかみ・やわらかさ」「抗菌」といった様々な効果を同時に発揮してくれますので、内装材に無垢材を使うことは一石二鳥、四鳥といえます。アロマオイルを焚いたり、除湿剤を置いたり、抗菌剤を使ったり・・・とそれぞれに対策をすることも有効ではありますが、無垢材を張るだけで24時間その効果をゆるやかに発揮してものは、よりストレスフリーな方法といえそうです。
心地よく暮らす、木の家をおすすめします
樹木は、風雨にさらされ様々な菌や虫なども生活している森林環境の中で、自らの体を守るための成分をたっぷりと蓄えています。また、水を吸い上げ大きく成長するために進化した多孔質の細胞が、木材になった時には湿気を吸い取ったりクッション性を発揮することになります。木材という材料を自然がもたらしてくれたことは、人類にとってとても幸運なことでしたし、その特徴を上手く利用しながら人は住まいを作ってきました。
何となく心地よくて、昔から当たり前のように使われてきた木材。その価値が改めて見直されています。私たちはこれからも、ごく自然に、当たり前に、心地よい木の家を作っていきたいと思います。
*木のさまざまな効果を体感してみたい方は、ショールーム「木のここち」へぜひ遊びに来てください。お待ちしています!