LIXIL製のシステムキッチン「ノクト」を使った収納術。前編では、「収納の5つの鉄則」についてご紹介しました。
後編では、具体的にどこに何を収納したらよいか、ゾーン別に解説していきます!
システムキッチン「ノクト」収納の特徴をチェック
まずは、システムキッチン「ノクト」シリーズの収納の特徴を知っておきましょう。
特徴的なのは、アシストポケット、シェルフというパーツがついたスライドストッカー(引き出し収納)です。
引き出しの深さや奥行きを無駄なく使えて、ポケットでは「立てる」収納ができるという、収納しやすい工夫がされています。
また、一番下の引き出しも十分な高さがあり、たっぷりと収納することができます。
コンロ廻りゾーンの収納方法
コンロ廻りに主に収納するのは、コンロで使うフライパンや鍋、油などです。
中段のシェルフには、薄めの鍋やフライパンが収納できます。その下のストッカーには、大きめの鍋を。もし、深鍋をしまう場合や「立てる収納」をしたい場合は、シェルフやポケットをなしにする選択肢もあります。
ポケットには、立ててしまう細長いものや、鍋のフタなどが入ります。
下段には、使用頻度が低い鍋類やホットプレート、カセットコンロを。鍋の数が少ない場合やホットプレートがない場合は、空きスペースに食器や調味料をしまってもいいでしょう。
調理廻りゾーンの収納方法
調理ゾーンには、一番上の上段引き出しがあります。ここは仕切れるトレーもついているので、細かなモノを収納するのにぴったりです。
中段はシェルフがないため、背の高いモノを立てて収納します。余裕があれば米櫃を入れてしまうのもいいでしょう。
下段の引き出しは、食材ストックを収納するのがおすすめです。引き出しの高さは18.4cmと思ったより高く、500mlのビール缶を立ててしまうことができます。ここをフル活用すれば、パントリー要らずの大容量収納ができます。スペースがあれば、ここにカセットコンロや鍋をしまうのもいいでしょう。
なお、このゾーンにビルトイン食洗機が入る場合は、引き出しの幅が小さくなります。
シンク廻りゾーンの収納方法
シンク廻りは、水を入れてつかうボウルやザルなどを収納します。
中段引き出しのシェルフは、排水管がある分奥行きが小さめになっていますので、小さな道具類をここに置きます。
ストッカーには大きめのボウルやザルも十分入ります。
また、ポケットにはまな板が入る大きめのポケットや、包丁差しがセットになっています。ラップ類もここに立ててしまうと取り出しやすく便利です。
下段は、洗剤、タオル等のストックを収納します。スペースがあれば、かさばるタッパー類を収納したり、湿気にくい食材やドリンク類を収納してもよいでしょう。
その他の収納テクニック
ショールーム「木のここち」にも、システムキッチン「ノクト」を展示して実際にスタッフが利用しています。ノクトの特徴をいかした、その他の“収納小ワザ”をご紹介します。
シンクのポケットはガラ空きをキープ!
シンク(スキットシンク)のポケットは幅が広く、洗剤、せっけん、スポンジを置いてもこのくらいスペースが余ります。
ここに、たわしやアレコレを詰め込んでしまうのはNG!ここは水がかかってヌメりが発生やすい場所なので、できるだけモノを置かないようにします。
その代わりに、スペースを空けておくことでペットボトルや発泡トレーなど、資源ごみの一時的な水切りスペースとして活用できて、とても便利です。
シンク下のポケットで、保存ジッパーの収納に一工夫
アシストポケットには、ラップやアルミホイルの箱は余裕を持って入ります。また、ジップロックなどの保存袋の箱も入りますがギリギリ、きっちりという感じなので、箱ごと出し入れするにはちょっと不向きです。そこで、ジップロックの箱を一部切り取って、このように入れておけば、袋だけをそのまま取り出すことができます。
ちなみに、さきほどシンクのポケットには置かないようにしていると言ったタワシ類は、きれいに洗って乾かして、このようにシェルフに置いています。時々しか使わないので、引き出しの中がベストだと思います。
“掛ける収納”に便利な、ロング取手
「ノクト」シリーズは、扉のカラーとともに、取手の種類や色も選ぶことができます。シンプルなデザイン重視の方には、出っ張りがない「ライン取手」が選ばれますが、個人的には「ロング取手」がおすすめです。
取手が長いので楽に引き出しを動かせるだけでなく、写真のようにタオルや布巾など、布類を引っ掛けられるスペースがたくさんあるからです。キッチンでちょっと掛けておきたいものは意外と多く、これ以外に食器の水切りマットや、エプロンなどを乾かしたり一時的に置いておくのに、とっても重宝しますよ。
下段引き出しを最大限活用!
最後に、下段の引き出しに実際に収納している写真をご紹介します。
パスタやレトルト、乾物、缶詰、カップ麺、粉類など、常温でストックしておきたい食材は、調理台下段の引き出しにしまっています。引き出しはレトルトカレーの箱を立てて入れられる十分な高さがあるので、たっぷり収納できます。
ここに、写真のようにできるだけ「立てて」収納し、モノが上下に重ならないようにすることで、上から眺めて何がどこにあるかがわかるようにしましょう。
モノの種類や数は日々変化しますので、仕切りは空き箱や手持ちのカゴなどでざっくりとしておき、モノに合わせて調整できるようにしています。
この下段を活用することで、かなりの量のモノを収納することができます。低い位置にあるので、吊戸棚よりも使いやすく、地震で落下する心配もなく安全です。
まとめ:システムキッチンの特徴をいかして、収納しよう!
多くの方がお悩みをかかえる、キッチンの収納。
もし、何だかうまくいかないなぁと感じていたら、収納方法が間違っているのかもしれません。そんな時は「収納の5つの鉄則」を考えつつ、実は一番手っ取り早いのは、キッチンのカタログを見ることです。
システムキッチンのカタログには、どこに何を収納したらよいか、説明がちゃんと書かれています。モノには、必ず設計された意図というものがあり、その通りにすると使いやすいようになっています。
メーカーさんが考え抜いた収納の仕掛けを、まずはその通りに使ってみることから始めましょう。そこから、自分なりにアレンジしていくのもいいと思います。
あなたにとって理想的なキッチン収納になるように、キッチンと仲良くお付き合いしながら、工夫してみてくださいね。家づくりの収納で困ったことがあれば、整理収納アドバイザーにご相談ください。
文章:整理収納アドバイザー 井上有加