木は、時とともに色や風合いが変化する素材です。
これを経年変化といい、あるいは時とともに味わいが増して美しくなるという意味で「経年美化」ともいいます。
では実際、どのように変化しているのか、築3年が経とうとしているショールーム「木のここち」の様子をお伝えします。
内装の変化
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内装は、無垢材の色がだんだんと濃く、深みを増してきました。全体的に落ち着いた雰囲気のお部屋になってきたと思います。
当初は赤身と白太の色の違いが目立っていたスギも、全体的に色が濃くなってばらつきが目立たなくなっていきます。
また、写真ではわかりにくいですが、床材は歩くことで磨かれて、なんとも言えない艶が出てきました。
ちなみに、木の香りは年数がたっても変わらずに香ってくることが知られています。今でもショールームへ訪れた方から「ヒノキの香りがする!」と言われます。特に気温が高い夏場はよく香ります。
また、窓から見えるお庭の植物も育ってきて、徐々に緑に包まれるようになってきます。それもまた木の家暮らしの楽しみの一つです。
外観の変化
次に、外観を見てみましょう。外壁には焼杉を、また玄関ドアは木製(ヒノキ)を使っています。
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after
外壁に使う木材は、風雨から守るため塗装して仕上げることが多いです。
木のここちで使っている焼杉は、スギ板を焼いた上から黒い塗装をかけてあります。時間が経って、少し塗装が色落ちしている部分が見られるようになりました。年月を重ねて味わいを感じる外観になってきました。
玄関ドアは、色落ちしたような感じはありませんが、普段の使用により、取っ手の周りなどに少し傷がついてきています。それもまた味わいになってきています。
外部に木を使う時に気を付けたいのは、できるだけ軒や庇で木の部分に雨がかからないようにしてあげることです。この写真のように、特に色落ちしている所は軒が高くなっていて、雨が直接当たりやすい部分です。
玄関廻りは軒も庇もついているので、外壁と玄関ドアが守られています。
雨が多い高知県で木の家を長持ちさせるためには、しっかりと軒を出すことが大切です。そんなことも実例でご覧いただけるショールームになっています。
木の経年変化は美しさや味わい
写真でおわかりいただけるように、無垢材は年月とともに変化していきます。
- 色が濃く深くなる
- 色のばらつきが目立たなくなる
- 艶が出る
- 塗装が落ちていく
- 傷がつく
このような変化を、時を重ねなければ味わえない美しさとして感じられるのが、木の家のいいところです。新築の時の若々しい木の色とはまた違った趣があります。
将来には、古民家や古いお寺の黒光りする床のように、味わい深いものになっていくイメージを持っていただければと思います。
ビニールや木目調プリントの新建材は、新築時~しばらくはピカピカしてきれいに見えますが、これらの経年変化はどちらかというと
- 色あせる
- 黄ばむ
- 表面が剥がれる
といった変化(経年劣化)をしていきます。
感じ方は住む方の好みにもよるものですが、木の家は住まい手とともに年を重ねて、人とおなじようにその年齢ならではの美しさを深めていける生き物のような家だと思います。
メンテナンスについて
木の経年変化は味わいとはいえ、あまりにも深い傷がついてしまうと気になるものですし、そこに汚れがたまったりささくれができてしまうと生活に支障が出てきます。
また、外壁の塗装は木材が腐るのを防ぐ役割がありますので、塗装が完全にとれてしまうと劣化が始まり、最終的に雨水の侵入につながってしまいます。放置しすぎるのもいけません。
そこで、暮らしやすさや安全を守るためにメンテナンスが必要になってきますが、無垢材は住まい手が自分でメンテナンスすることもできるのが特徴です。
★無垢材の傷のメンテナンス
無垢材(自然塗装、無塗装)についた傷は、木の繊維を膨らませることで直せる場合があります。熱湯を直接傷の部分にかけたり、濡れタオルの上からアイロンを当てることで木が膨らんできます。
私たちも傷が気になる場合は、よくお湯をかけて直しています。スギなどやわらかい木は傷がつきやすい分、膨らむ力もあるので直りやすいように感じます。
(あまりに深い傷や、繊維が切れてしまっているなど直せない傷もあります)
また汚れについては、種類によって水拭き、アイロンがけ、消しゴム、激落ちくんなどで落とせることがあります。
★外壁のメンテナンス
外壁やウッドデッキなど塗装されている木材は、DIYで塗装することでメンテナンスできます。新築から3年ほど経った頃に一度塗装しておくと長持ちするでしょう。
その後も、雨がかりなどの環境にもよりますが7年程度の間隔で塗装することをおすすめします。
足場が必要な高い場所など、どうしても自分でできない場合は、無理せずに工務店にご相談ください。
木の家は、育てることを楽しもう。
時とともに味わいが増し、愛着が深まっていく木の家。
経年変化を楽しみながら、時にはお手入れをしてあげて「育てていく」楽しみがあります。
これからどんな風に変化していくのでしょうか?木のここちの今後をお楽しみに。
経年変化するショールーム「木のここち」はご予約の上ご見学いただけます。