令和5年度に「安芸市流域森づくり構想」の策定委員として、地域の森林のこれからを考える機会に参加しました。
私たちは工務店として高知県や国産の木材を使っていますが、その木は長い時間をかけて山で育てられ、製材加工を経て材料になります。林業の営みが持続的でなければ、建築の仕事も続けることはできません。また、安芸市は森林率89%の森林に囲まれ、森で育まれた水や空気が私たちの命をつなぎ、農業や漁業をはじめとする地域の豊かな恵みの源になっています。
この森林や林産業、そして地域が持続していくために必要な取り組みについて、協議会や市民ワークショップなどで意見を出し合い、30のアクションプランにまとめました。また、どのような森やまちの姿を目指していくべきなのか、大切にする理念を「森から海へ、すべての人にその恩恵が行き渡るまちづくり」としました。
理念をひとことで表現するスローガンは、
”Blue forest, Blue ocean.”
これは、森が青々とすればその先の海までも青く豊かになる。無限の可能性が広がる市場(ブルーオーシャン)が生まれる、という意味が込められています。とても明快で、共感できる私たちのビジョンができました。
この構想にある、森林を通したまちづくりの一環として、地域の有志で5月4日に東山森林公園で森林浴イベントを開催しました。「歩く森林浴」では、私もメインガイドとして森をご案内。誰もが森を楽しめるようバリアフリーを意識した「歩かない森林浴」では、新緑の中での野点やハンモックに揺られてのんびり過ごす体験をしました。
様々な森林の恵みを多くの方と分かち合うために。井上建築はこれからも木や森とかかわる暮らしの提案、そして50年先を見据えた森づくりにも会社として取り組んでいきます。
井上 有加
安芸市の森づくりの取り組みは安芸市公式WEBで紹介されています。