【リフォーム現場】国産クリの無垢フローリングを張りました

ただいまリフォーム中の現場に、無垢フローリングを張りました。

「無垢」フローリングとは、ベニヤを張り合わせて表面にプリントシート等を貼ったいわゆる新建材の「複合」フローリングとは違い、本物の木の挽板だけでできたもののことです。

最近は、本物志向の方や自然素材を好まれる方が、新建材から無垢に切り替えるリフォームも人気です。

↑こちらが、今回使用したフローリングです。

さて、複合フローリング(新建材)の床から雰囲気を変えたいときに、床を全部はがして張り替えることもできますが、工期やコストがかかるので、そのまま上から無垢を張る方法も考えたいものです。

今回、既存の床の上から張れる、厚み9mmの無垢フローリングを採用しました。

これは通常の無垢フローリング(15mm程度)より薄いので、お部屋の高さがあまり変わらず、建具などの収まりもしやすいんです。

しかし自然素材で反りや狂いがある無垢の木では、ここまで薄くするには、素材を厳選したり乾燥加工技術のレベルが高くないとできません。

今回は、日本トップクラスの品質を誇る、国産材フローリングメーカーの製品としました。特に東北の広葉樹を多くラインナップしているメーカーさんですが、その中から「栗」をチョイス。

栗といえば秋の味覚でおいしい”実”の方が身近ですが、”木材”としても縄文時代から使われてきたほど、日本人にとってはなじみ深い里山の広葉樹です。タンニンという防腐成分を多く含み腐りにくいので、鉄道の枕木や家の土台などに使われます。

(↑青森県の三内丸山遺跡でも、栗の柱が使われています)

栗はフローリングにすると年輪がくっきりと出て、色合いは黄色っぽく明るい雰囲気になります。硬さはスギやヒノキより硬く、ナラよりも柔らかいです。

フローリングでは仕上げの塗装の種類を選ぶことができますが、せっかくの無垢ですので、木の呼吸を妨げない自然塗料(OSMO)仕上げにしました。これで調湿効果も期待できそうです。

さて、この商品は「乱尺」といって数種類の長さが混ざった商品なので、目地の配置を考えながら並べていきます。国産広葉樹は天然の木がほとんどで太い木やまっすぐな木が少ないため、木の形に合わせて色々な長さの板を取って使ってあげた方が、資源を無駄なく使えるのです。人の手間はかかりますが、自然に寄り添った商品だと思います。

また、無垢フローリングは自然のものなので、木目や節など一枚ごとに表情の違いがあります。これも並べ方にはセンスが求められますし、収納の中など目立たない場所に節や欠点のある木を使うなど、工夫した方がきれいに仕上がります。

梱包を一度すべてバラしてから、長さと見た目で分けて並べ直しました。

そして、ボンドと専用タッカーで施工していきます。

↑写真の左側が、無垢フローリング。右側のテカテカしているのが既存の複合フローリングです。風合いが全然違いますね!

 

近くで見ると、こんな感じです。

お部屋の雰囲気がどんどんよくなっていきます。

 

このように、無垢フローリングは品質のばらつきがあったり、施工に工夫が必要です。

また張った後にも季節や湿度・乾燥によって反ったりすいたりするため、そういった性質を理解していないとびっくりするお施主様もおられます。

そのためハウスメーカーなどではクレームを避けるために、「無垢」は敬遠されて複合フローリングがほとんどです。日本人にとってフローリングのイメージといえば、複合フローリングになってしまっているかもしれませんね。

でも風合いやあたたかみ、調湿作用など暮らし心地のよさは、無垢と複合を比べるとその差は歴然だと思います。

 

今回のこのリフォーム現場は手間をかけた分、きっといいお部屋に仕上がっていくはず!

完成をお楽しみに。