代々住み継がれたお家。増築部分や離れ、蔵などを合わせると70坪にもなる広さがありました。
このお家でより快適に暮らせるよう、どの部分をどう改修するか、プランニングからスタートしました。
プライベートを確保しつつ広々としたLDKへ+ゾーン断熱
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いくつもの和室が細かく建具で仕切られ、間に廊下を挟むために日光も入りにくい間取りだった居間。また、キッチンは土間にあったため冬は足元が冷えました。
この和室の間仕切りを取り払ってワンフロアのLDKに変更し、明るく広々とした空間に変更しました。また、部屋の中心へキッチンの場所を変更し、対面キッチンにして室内が見渡せるように。
いっぽうで、ご親戚や友人など来客が多いことから、来客時にはアクリル引き戸で仕切ってプライベートを確保できるようにしました。
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もともとあった床の間や神棚は床をフラットにしたり高さを使いやすい位置に変更しながら、少し面影を残しました。床には足触りのいい桧の無垢フローリングを張り、ほのかに和の雰囲気になりました。
断熱については、面積が広いお家の全体を改修するとコストがかさんでしまうことから、コストパフォーマンスを考えて断熱改修は主な生活エリアに集中して行いました。このような「ゾーン断熱」も、広いお家の場合は有効です。サッシの全面的な取り換え、また湿気に悩まされていた部屋には床下に防湿処置を施し、住環境を改善しました。耐震改修についても主に生活する棟に絞って行いました。
水回り一式を移動する間取り変更
お風呂やトイレなど水回りが主な生活スペースから離れた場所にあり、いったん屋外へ出ないといけない間取りだったことから、思い切って位置を変更し、屋内に新しく水回り一式を作りました。リビングや寝室からも近い場所にコンパクトにまとまり、使いやすい動線になりました。
部屋数の多さを活かして趣味の部屋も
広いお家ならではの、もともとの部屋数の多さをいかして、楽しみのためのスペースも。
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音楽などのご趣味をお持ちのお施主様の希望で、防音室を設けました。壁や天井、床に防音材を施工し、窓には内窓を設置、入口のドアは防音ドアに変更しました。ここで心置きなく、楽器の演奏やライブ配信が楽しめます。
離れには友人が遊びに来た際に泊まれる部屋や、ご近所の方と団らんするスペースも設けました。
広いお家は、改修コストがかかるというデメリットがありながらも、広さや部屋数をいかして様々な空間がつくれるメリットもあります。そのような課題をできるだけ克服し、メリットをいかせる、メリハリをつけた改修プランのリノベーションとなりました。