木の産地を知る1日嶺北ツアー

家の骨組みになり、心地よい内装にもなる「木」

井上建築で使う主な木材の産地は、森林率84%の高知の山です。

スギ

木は山でどのように育ち、どのように加工されてお家になるのでしょうか?

それを目で見て知っていただくことは安心感にもなり、自然や産地の人とつながりを感じる思い出深い家づくりになります。

今回、主な構造材の産地である嶺北地域の山や、木を加工してくださる人たちを、今年ご新築予定のお施主様ご家族と一緒に訪ねました。

小さなお子様も一緒でのツアー。

スギやヒノキの生えている公園まで、木の橋を渡っていくちょっとした冒険からスタートです!

この日の嶺北地域はまだ雪が残っていて、生まれて初めて見る雪に「雪やこんこ♪」を歌って大はしゃぎ。

寒いからこその楽しみを、喜んでいただけてよかったです!

次に製材所へ移動して、製造工程を見学しました。

土場にたくさん積まれている丸太を見て、スギとヒノキの違いなどをご説明。

ちょっとしたコツを掴めば、お施主様もすぐに見分けられるようになりましたよ。

スギは柱や梁に、ヒノキは土台などに使います。

山から切り出された木がどのように育ってきたかは、切り口や年輪を見るとよくわかります。

このヒノキは、樹齢50年ほど。

途中で年輪の間隔が広くなっているのは、この年に周りの木が間伐されて成長が速くなったから。

何十年も前の枝打ちの跡もあって、よく手入れされていることがわかりました。

ところでなぜ、国産の木や地元の木を使うことがよいのでしょうか。

一つに、その性質が気候風土に合っていることがあります。

特に高温多湿な高知県の木造住宅で気を付けたいことは、シロアリの被害です。

元々、スギやヒノキは自然界で生きるために丸太の中心部分に虫や腐りを防ぐ成分を含んでいますが、シロアリのいない地域(海外)の木にはこの成分があまり入っていません。

家を長持ちさせるためには、特に土台などシロアリ被害を受けやすい部材には耐久性のあるヒノキを使うなど、適材適所の工夫が必要なのです。

二つ目の理由は、地場産業の応援になること。

地元の木を使うことで林業や製材業などに利益が還元されます。

また林業が元気になることで山の手入れが進み、災害にも強い健康な森林が育っていくはずです。

次に木材の保管場所に移動して、実際にお家に使う予定の柱や梁とご対面。

「○○様邸」と書かれた木材を見た瞬間、「わ~!」と声を上げてカメラを向けたお施主様。

今日これまで山から製材を見てきた高知の木が、自分のお家になるのだと実感が湧いて、一際感動のシーンとなりました。

今回の記念に、土台になる木にご家族みなさまのお名前と、お子様のサインも書いていただきました。

「家内安全」を祈る文字も添えられました。

この木は玄関框の下に据えられる予定です。上棟した後に現場を見るのが楽しみになりますね。

最後に、地域の木をかわいい雑貨に加工されている木工所を見学し、木製のお土産をプレゼントさせていただいて解散となりました。

〜お施主様のご感想〜

食に関わるお仕事をされているお施主様のご感想です。

「今日のツアーでお話を聞いてますます楽しみになりました。

食の産地訪問によく行っていたのですが、(抱えている問題など、林業も)同じような状況だなぁと思いました。

木の事は素人ですが、私も地産地消を大切にしているのでそんなお家になるんだなぁと嬉しかったです。」

 

野菜や食べ物の産地や顔が見える関係を大切にする方も増えているこの頃。

一生に一度の家づくりの際には、木の産地を体感していただくのはいかがでしょうか。

私たちにぜひご案内させてくださいね。

 

寒い中ツアーにご参加くださったお施主様、今回ご協力いただいた嶺北地域の皆様、ありがとうございました。

これからも産地とのつながりを大切にして、このように高知の森林や林業に触れていただく機会を作っていきたいと思います。